2010年9月11日公開の映画『悪人』。

原作は、吉田修一さんの『悪人』で、監督・李相日さんにより映画化されました。

第34回モントリオール世界映画祭では、深津絵里さんが最優秀女優賞を受賞したことでも話題になった作品です。

あらすじ

芥川賞作家・吉田修一の最高傑作を李相日監督が渾身の映画化。ひとつの殺人事件。殺した男と愛した女。引き裂かれた家族。さまざまな視点から事件の真相が明らかになるにつれ、観る者に「いったい誰が本当の“悪人”なのか」を問う。悪意にまみれたこの現代で、ひとは何にすがって生きれば良いのか。人間の善悪を深くえぐる演出と豪華キャストによる究極のヒューマンドラマ。

監督・キャスト

監督:李相日(り そうじつ)

キャスト:
清水祐一・・・妻夫木聡
馬込光代・・・深津絵里
増尾圭吾・・・岡田将生
石橋佳乃・・・満島ひかり
清水房枝(祐一の祖母)・・・樹木希林
石橋佳男(佳乃の父)・・・柄本明
石橋里子(佳乃の母)・・・宮崎美子
矢島憲夫(祐一の大叔父)・・・光石研
佐野刑事・・・塩見三省
堤下(悪徳販売員)・・・松尾スズキ
清水依子(祐一の母)・・・余貴美子
清水勝治(祐一の祖父)・・・井川比佐志
鶴田公紀(増尾の同級生)・・・永山絢斗
馬込珠代(光代の妹)・・・山田キヌヲ
久保刑事・・・池内万作
バス運転手・・・モロ師岡
理髪店の客・・・河原さぶ
タクシー運転手・・・でんでん
派出所の巡査・・・山中崇
谷元沙里(佳乃の同僚)・・・韓英恵
安達眞子(佳乃の同僚)・・・中村絢香

感想(ネタバレあり)

映画『悪人』のテーマは、「人間の本質は善と悪」(Wikipedia情報)。

でも、この映画を観終わった時、悪人はいた?と思った。

そこから善とは何か?悪とは何か?を考えてみました。

考えた結果、善とは「信じること」悪は「弱さ」と解釈しました。

そして、この2つは表裏一体にあるものでは?

以下からは、ネタバレも含めて感想を書いていきます。

祐一(妻夫木聡)は悪人なのか?

殺人を犯してしまった清水祐一(妻夫木聡)は悪人だったのか?

最後のシーンで、馬込光代(深津絵里)のセリフにあったように、世間では悪人かもしれない。

タクシー運転手(でんでん)が祐一のことを、「人間のできることじゃなかですよ。」と言うように、

テレビ、新聞、雑誌など報じられた殺人事件を目にした時、殺人犯の一部の側面だけで「悪人」と判断しますし、「人間のできることじゃない」と受け取ります。

しかし、人間の本質に悪(弱さ)があるのなら、誰にでも人間を殺めることはできてしまうことなのかもしれません。

弱さこそが悪なら、映画の登場人物は皆「悪人」と言えるのでは?

祖母が祐一を信じることができたのは?

印象的な人物だったひとりが、祐一の祖母(樹木希林)。

実の娘で祐一の母に代わり、祐一を育ててきた祖母。実の母ではないが、祐一を最後まで信じていた人物。

本当の親子ではないけれど、一緒に過ごしてきた時間が祐一を信じる力になっていたのなら・・・。

「家族とは何か?」を考えさせられた登場人物でした。

ちなみに、樹木希林さんが亡くなられてから、出演作品を観たいと思っていたので良い機会になりました。

今後も意識的に作品を観ていこうと思っています。

映画『怒り』と『悪人』

吉田修一原作、李相日監督作品は、2016年公開の『怒り』があります。

原作者が同じというのもありますが、根底にあるテーマはとても近いものがあります。

『怒り』では、「信じることの葛藤」「信じることの弱さ」が描かれています。

『悪人』のテーマは「人間の本質は善と悪」ですが、善を「信じること」悪を「弱さ」と解釈することができると考えると。

この2つの作品は、近いものがありますね。

『怒り』が面白かった人は、『悪人』も満足できるのかな?

私は、どちらも面白かったです。

どちらが好き?と聞かれても、難しいところ。

『怒り』の感想はこちら映画『怒り』あらすじ・感想(ネタバレあり)